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EPMとは?馬の原虫性脊髄脳炎の原因・症状・治療法を徹底解説

EPM(馬の原虫性脊髄脳炎)は、アメリカで最も一般的な神経疾患の原因の一つであり、日本でも認知度が高まりつつある、馬の飼い主なら知っておくべき病気です。答えを先に言うと、EPMはオポッサムのフンを介して感染する原虫が原因で起こる、進行性の神経疾患です。初期症状はふらつきや筋萎縮など、他の病気と見分けがつきにくく、「偉大な詐欺師」とも呼ばれます。あなたの愛馬が、最近何となく動きがぎこちない、首の筋肉が左右で違う、といった些細な変化を見せていませんか?それはEPMのサインかもしれません。この記事では、私たち飼い主が早期に異変に気づき、適切な行動を取るために必要な知識——原因、見逃せない「3つのA」の症状、最新の治療法、そして何より重要な予防策までを、分かりやすく解説していきます。まずは、この病気の全体像を掴むことから始めましょう。

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馬のEPM(馬原虫性脊髄脳炎)とは?

EPMの基本と歴史

EPMって、馬の神経の病気でアメリカではすごく多いんだ。1970年代に見つかった病気だけど、今でも獣医さんが完全には解明できてない、ちょっと複雑なやつなんだよ。

あなたの馬が急にふらつき始めたり、筋肉が落ちてきたりしたら、EPMの可能性も考えないといけないね。これは伝染病じゃないから、他の馬にうつる心配はないけど、原因はアライグマじゃないよ、実はオポッサムなんだ。この病気、どんな年齢や品種の馬でもかかる可能性があるんだけど、若い馬で診断されることが多いんだ。ロバやラバでは確認されていないから、これは馬特有の病気ってわけだね。最初の症状はほんの少しの変化だから、気づくのが難しいんだよね。僕も最初は「ちょっと調子悪いだけかな?」って思っちゃうことがあるよ。

なぜ馬はEPMにかかるのか?

原因は、原虫という小さな寄生虫なんだ。主にSarcocystis neuronaとNeospora hughesiっていう2種類が問題になるよ。

馬がEPMにかかる一番の経路は、オポッサムのフンに混ざった「スポロシスト」っていう原虫の卵みたいなものを、食べたり飲んだりしちゃうことなんだ。これが体に入ると、血液に乗って移動して、ついには血液脳関門っていう脳へのバリアを突破しちゃう。脳や脊髄の中に入り込んで、炎症を起こして神経を傷つけ始めるんだ。面白い(っていうか怖い)のは、このダメージが、原虫そのものによるものなのか、それとも体の免疫システムが過剰に反応して起こる「二次的な炎症」なのか、はっきりわかってないところだね。Neospora hughesiは、お母さん馬から子ウマにもうつることがあって、流産の原因になったり、生まれてきた子ウマが保菌者になったりする可能性もあるんだ。他にもToxoplasma gondiiっていう生物が関係しているかもしれないって話もあるけど、その役割はまだ謎のままだよ。だから、予防がとっても大事になってくるんだ。

EPMの原因を深く知ろう

EPMとは?馬の原虫性脊髄脳炎の原因・症状・治療法を徹底解説 Photos provided by pixabay

オポッサムとの意外な関係

オポッサムって、見た目はちょっと怖いけど、EPMのキーパーソン(キーアニマル?)なんだよね。彼らが最終宿主って呼ばれる立場で、原虫を体内で増やして、フンと一緒に外に出すんだ。

ここで重要なのは、オポッサム自身はこの原虫で病気になったりしないってことだよ。彼らはただの「運び屋」みたいなものなんだ。問題は、そのフンが馬の飼料や水、あるいは牧草地に混入することなんだ。馬は知らずにそれを口にしてしまう。特に地面に直接置いた餌を食べる習慣があると、リスクは高まるね。僕の知っている牧場では、餌箱をしっかり密閉して、絶対に地面に餌を置かないように徹底しているよ。オポッサムを完全に牧場から追い出すのは現実的じゃないから、彼らと馬の生活圏をできるだけ重ならないようにする工夫が大切なんだ。

感染から発症までの道のり

原虫を口にしたら、必ず病気になるわけじゃないんだ。これがEPMのややこしいところだよ。

実は、アメリカの馬の半数以上は、この原虫に「暴露」されている、つまり体の中に抗体を持っていると考えられているんだ。でも、実際に神経症状を出すのはそのうちのごく一部なんだよ。じゃあ、なぜある馬は重症化して、ある馬は平気なのか? それは馬の免疫状態ストレスレベル、その時の体調が大きく関係しているみたいだね。例えば、長距離の移動、激しいトレーニング、他の病気への感染などで免疫力が下がっている時に、潜伏していた原虫が活動を始めるケースが多いと言われている。だから、あなたの馬の体調管理は、EPM予防の第一歩でもあるんだ。「うちの子は丈夫だから大丈夫」って油断は禁物だよ。

EPMの症状を見逃さないで

「3つのA」を覚えよう

症状を覚えるコツは、頭文字がAで始まる「3つのA」だよ。これは獣医師も診断の際に重視するポイントなんだ。

まず一つ目は筋萎縮(Atrophy)。これは筋肉がやせ細っちゃうことだね。お尻の筋肉がペタンとなくなったり、背中のライン(トップライン)がガクッと落ちたり、首の筋肉が左右で明らかに違ったりする。ひどい時は顔の筋肉まで痩せて、目つきが変わっちゃうこともあるんだ。二つ目は運動失調(Ataxia)。これは「酔っ払い歩き」ってイメージが近いかな。後ろ足がもつれたり、まっすぐ歩けなかったり、方向転換がぎこちなくなったりする。三つ目は非対称性(Asymmetry)。これがEPMの大きな特徴で、症状が体の左右どちらか一方に強く出ることなんだ。例えば、右後ろ足だけがひどくふらついたり、左側の筋肉だけが極端に萎縮したりする。この「左右差」があると、EPMの可能性がグッと高まるんだよね。

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オポッサムとの意外な関係

「3つのA」以外にも、いろんなサインが出る可能性があるよ。全部が一度に出るわけじゃないから、一つでも気になったら注意深く観察してね。

頭をいつも同じ方向に傾けていたり(頭位斜傾)、自分の足の位置がわからなくてつまずいたり、壁にもたれかかっていたりする。食べ物を飲み込みにくそうにしていたり、元気がなくなってボーッとしている時間が増えたり。性格が変わっちゃうこともあるんだよ。穏やかだった子が急にイライラしたり、逆におとなしい子が攻撃的になったり。最後は立てなくなるくらいの衰弱(起立不能)にまで進行することもある。こういった症状は、他の神経疾患や整形外科の問題とも似ているから、自己判断は絶対にダメだよ。あなたが「何か変だな」と感じたら、それが一番の早期発見のチャンスなんだ。

獣医師はどうやってEPMと診断するの?

診断は「消去法」から始まる

EPMは「偉大なる詐欺師」って呼ばれるくらい、症状が他の病気にそっくりなんだ。だから診断は本当に難しいんだよ。

あなたが獣医師を呼んだら、まずは徹底的な身体検査、跛行検査、神経学的検査が行われるよ。馬をまっすぐ歩かせたり、後ろ向きに歩かせたり、しっぽを横に引っ張ってバランスを確認したり…。神経学的検査って、実はとっても繊細で時間がかかるんだ。もし獣医師がEPMを疑ったら、次は血液検査や「脊髄穿刺」っていう検査を提案するかもしれない。脊髄穿刺って聞くとすごく怖いと思うけど、鎮静剤をかけて超音波で確認しながら行うから、経験豊富な獣医師なら比較的安全にできる検査なんだ。この検査で採取した脳脊髄液を調べるのが、生前診断では一番確実な方法なのさ。でもね、実は100%確実に診断できるのは、残念ながら亡くなった後に脳を調べる時だけなんだよね。生きているうちの検査は、あくまで「可能性が非常に高い」と判断するためのものなんだ。

検査の種類とその意味

検査にはいくつか種類があって、それぞれ長所と短所があるんだ。僕がわかりやすく表にまとめてみたよ。

検査名何を調べる?長所短所
ウエスタンブロットS. neuronaへの抗体の有無暴露歴の有無を調べられる陽性でも「病気」とは限らない(多くの馬が暴露済みのため)
ELISAS. neuronaの抗原(原虫そのものの一部)現在の感染を示す可能性が高い全ての原虫株に反応するわけではない
IFAT抗体の量(定量評価)抗体の「量」から、単なる暴露か活動性の病気かを推測できる絶対的な診断基準ではない

この表を見てわかる通り、一つの検査結果だけで「EPMです!」と断定するのはとっても危険なんだ。獣医師は、これらの検査結果と、臨床症状、そして他の病気(例えば馬ヘルペスウイルスや脊髄の圧迫など)の可能性をすべて除外した上で、総合的に判断するんだよ。だから、診断までに時間がかかることもあるし、場合によっては「治療をしてみて、症状が改善するかどうか」が診断の決め手になることもあるんだ。

EPMの治療法は進化している

EPMとは?馬の原虫性脊髄脳炎の原因・症状・治療法を徹底解説 Photos provided by pixabay

オポッサムとの意外な関係

現在、アメリカのFDA(日本の厚生労働省みたいなもの)に承認されている治療薬は主に3種類あるよ。どれも原虫の増殖を抑える「抗原虫薬」っていわれる種類だね。

まずポナズリル(商品名:マーキス®)。これは現在のゴールドスタンダード、つまり一番標準的で効果が期待できるお薬だと考えられているよ。ペースト状で毎日口から投与するんだけど、治療開始初日は「ローディングドーズ」っていって多めに投与して、体の中の薬の濃度を一気に治療レベルまで上げるんだ。治療期間は通常1〜3ヶ月。お値段は…ちょっと覚悟してね、月に約10万〜15万円くらいかかることが多いみたいだよ。次にジクラズリル(商品名:プロタジル®)。これはアルファルフをベースにした飼料添加剤みたいな形で、毎日の餌に混ぜて食べさせるんだ。これも1〜3ヶ月の治療が一般的で、月8万〜10万円くらいかな。最後がスルファジアジン/ピリメタミン(商品名:リバランス®)。液体のお薬で、治療期間が長めの3〜9ヶ月かかるけど、その分月々の費用は2万5千〜4万円と比較的お手頃だね。ただ、長期間使うと貧血を起こすことがあるから、アルファルフを多めに与えたり、サプリメントで鉄分を補ったりする必要があるよ。

治療を成功させるコツ

薬を選ぶのは獣医師の仕事だけど、治療を支えるのはあなたの役目だよ。治療中はとにかく馬にストレスをかけないことが何より大事なんだ。

お薬はきちんと決められた時間に、決められた量を投与しよう。ポナズリルやジクラズリルは、植物油(コーン油やキャノーラ油なんかがいいよ)と一緒にあげると吸収が良くなるって報告もあるんだ。治療の最初の数日間は、炎症がひどい場合があるから、抗炎症剤(バナミン®など)やステロイドが併用されることもあるよ。あと、獣医師からビタミンEのサプリメントを勧められることが多いんだけど、これは神経を保護する抗酸化作用があるから、ぜひ併用してほしいな。一番重要なのは、運動を控えることだね。症状がほんの少しの運動失調であっても、乗馬や激しい運動は絶対に避けよう。あなたも馬も転倒して大けがするリスクがあるし、何より治療中の馬の体に大きな負担になるからね。安静が一番の治療の友だよ。

回復とその後の管理について

治療の見通し(予後)は?

気になる回復の見込みだけど、早期に診断して治療を始めれば、希望は十分にあるよ!データを見てみよう。

ある調査によると、迅速な診断と治療が行われた馬のうち、60〜80%は症状が著しく改善するんだ。そして、そのうち最大で25%の馬は、完全に回復するって報告もあるよ。でも、油断は禁物。治療が成功したように見えても、10〜20%の馬は治療後3年以内に再発する可能性があるんだ。もし何の治療もせずに放っておくと、EPMは進行性の病気だから、神経がどんどん傷ついて、永久的な運動障害や認知機能の低下を引き起こし、最終的には命に関わることもある。だから、「もしかして?」と思ったら、すぐに行動することがすべてなんだ。あなたの早い判断が、愛馬のその後の馬生を大きく変えるかもしれないよ。

治療中の環境づくり

治療中は、馬が安心して過ごせる環境を整えてあげることが、あなたにできる最大のサポートだね。

まず、安全な囲いを確保しよう。足元が滑りにくく、平らで、障害物のない場所が理想だよ。ふらついている馬は、ちょっとした段差や穴につまずいて転倒しやすいからね。敷料(マットやワラ)もたっぷり敷いて、万が一倒れても衝撃を和らげられるようにしたいところだ。免疫力が下がっているから、他の感染症にもかかりやすくなっているはず。囲いを清潔に保ち、新鮮な水と質の良い餌を切らさないようにしよう。あなたは、治療が長引くかもしれないし、思うように回復しないかもしれない…そんな不安と戦うことになると思う。でも、焦ったりイライラしたりする気持ちは、きっと馬にも伝わっちゃうよ。僕もそうだったからわかるんだ。深呼吸して、獣医師とよく相談しながら、一歩一歩進んでいこう。あなたは一人じゃないからね。

EPMを予防するための実践的な方法

牧場管理でできること

オポッサムを完全にシャットアウトするのは不可能に近いけど、リスクを減らす努力はできるよ!ちょっとした工夫が大きな差を生むんだ。

まず、餌の管理を徹底しよう。穀物やペレット、サプリメントは、必ず蓋のできる密閉容器で保管するんだ。オポッサムが寄ってこないようにするためだね。そして、絶対に地面に直接餌を置かないで。餌箱を使うか、どうしても無理なら清潔なマットの上に置くようにしよう。水やりもポイントだよ。馬は新鮮な流水が大好きだし、バケツや自動給水器の水は、池や水たまりの水よりもオポッサムのフンで汚染されるリスクがずっと低いんだ。あと、もし牧場でオポッサムの死骸を見つけたら、すぐに馬の放牧エリアから遠く離れた場所で処分してね。これ、けっこう大事なんだよ。

馬の健康管理から見る予防

「予防は治療に勝る」って言うでしょ? EPMに関してもこれは大正解なんだ。そもそも、免疫力が高い健康な馬は、例え原虫に暴露されても発症しにくい傾向があるんだよ。

じゃあ、どうすれば免疫力を高められるのかな? バランスの取れた栄養、適度な運動、十分な休息、そしてストレスの少ない環境…これらはすべて基本だけど、とっても大切なことだよ。特にビタミンEとセレンは、神経の健康と免疫機能に深く関わっているから、必要に応じてサプリメントで補給するのもいいかもね。定期的な検診やワクチンプログラムをきちんと受けて、他の病気を予防することも、間接的にEPMのリスクを下げることにつながるんだ。あなたが愛馬の健康状態をいつも気にかけ、小さな変化を見逃さないことが、実は一番強力な「予防策」なのかもしれないよ。

EPMと向き合う馬主さんの心構え

もし愛馬がEPMと診断されたら

診断を受けた瞬間は、ショックで頭が真っ白になるかもしれない。でも、大丈夫。まずは深呼吸しよう。今は治療法がある時代なんだから。

あなたが最初にすべきことは、獣医師とじっくり話をすることだよ。治療の選択肢、費用、期間、治療中のケアの方法、予想される経過…わからないことは何でも聞いていいんだ。メモを取るのもおすすめだよ。そして、治療はマラソンだと思ってほしい。すぐに結果が出るわけじゃないし、一進一退を繰り返すこともある。そんな時、同じEPMの馬を治療した経験のある他の馬主さんと話をしてみるのも、すごく心強いよ。SNSのコミュニティや地域の馬の会など、情報交換できる場を探してみて。一人で抱え込まないで。あなたの不安や疲れは、ちゃんとわかってくれる人が必ずいるからね。僕も最初は途方に暮れたけど、仲間の存在が本当に支えになったよ。

長期的な視点を持とう

EPMの治療が一段落した後も、油断はできないよ。再発の可能性は常に頭の片隅に置いておこう。

定期的な獣医師のチェックは欠かさずに。少しでも以前のような症状(ふらつき、筋萎縮など)が現れたら、すぐに連絡するんだ。治った後も、その馬の運動能力や使役には、ある程度の制限が必要かもしれない。かつてのように激しい競技に復帰させるのは難しい場合もある。でも、それは「ダメになった」ってことじゃないんだよ。たとえ乗れなくても、あなたの大切な家族として、穏やかに幸せに暮らす道はいくらでもある。私たちはつい、「以前のように」戻すことを目標にしがちだけど、時には「新しい普通」を受け入れる勇気も必要なんじゃないかな。その馬と一緒に過ごせる時間そのものが、これからもずっとかけがえのないものだって、僕は信じているよ。

EPMに関する最新の研究と未来

ワクチン開発は進んでいる?

「予防接種があればいいのに」って思うよね? 実は、EPMのワクチン開発はずっと研究課題として挙がっているんだ。

でも、これがなかなか難しいんだよ。なぜかというと、原因となる原虫の生活環が複雑で、オポッサムを介するからなんだ。馬に直接効くワクチンを作るのとは別に、オポッサムに投与して原虫の増殖を抑える「オポッサム用ワクチン」なんてアイデアもあるらしいけど、野生動物にどうやって接種するかっていう、また別の大きな壁があるよね。現時点では実用化されたワクチンはないけど、世界中の研究者が挑戦し続けているから、将来はもっと簡単に予防できる日が来るかもしれないね。それまで私たちは、今できる管理方法をしっかり実践していくしかないんだ。

より良い診断法と治療法を求めて

診断が難しいこの病気を、もっと早く、正確に見つけ出す方法はないのかな?

現在の研究では、血液や髄液の中の特定のバイオマーカー(病気の印になる物質)を探したり、より精密な画像診断(MRIなど)の活用が模索されているみたいだよ。治療についても、既存の薬の投与方法の改善や、副作用の少ない新しい薬の開発が進められている。私たち馬主にできることは、こうした研究を支えることかもしれないね。例えば、大学や研究機関が臨床データを集めている場合に協力したり、EPM研究への寄付を考えてみたり。あなたの愛馬の経験が、未来の多くの馬を救う研究の一助になるかもしれないんだ。病気と向き合うことは大変だけど、同時に希望を見つけるプロセスでもあるって、僕は思っているよ。

あなたの馬の食事、EPMリスクと関係あるかも?

栄養バランスが免疫力のカギ

あなたは毎日、馬にどんな餌をあげていますか? 実は、食事内容がEPMの発症リスクに影響するかもしれないんだ。ビタミンやミネラルが足りていないと、馬の免疫システムはうまく働かなくなっちゃうよ。

特に重要なのは、抗酸化作用を持つ栄養素だね。例えばビタミンEセレンは、神経細胞を守る働きで知られている。牧草だけでは不足しがちだから、サプリメントで補う牧場も多いんだ。でも、与えすぎは逆効果だから注意してね。セレンは毒性が出ることもあるから、血液検査でレベルを確認しながらが安心だよ。もう一つ見落としがちなのが、良質なタンパク質。筋肉を維持するためだけじゃなく、抗体っていう免疫物質を作る材料にもなるんだ。高齢の馬や痩せ気味の子は、タンパク質の摂取量が足りているか、もう一度チェックしてみよう。あなたが毎日バケツに入れるその餌が、目に見えない防御壁を作っているんだね。

サプリメントとハーブの世界

「自然のもので予防できないかな?」って考えたこと、あるよね。市場にはEPMサポートを謳うサプリがたくさんあるよ。

でも、その効果はどうなんだろう? 実は、科学的にしっかり証明されているものはまだ少ないんだ。例えば、霊芝(レイシ)アシドフィルス菌は全体的な免疫力アップに役立つと言われているけど、EPMの原虫に直接効くわけじゃない。一番気をつけてほしいのは、「これさえ与えれば大丈夫!」っていう過剰な期待だよ。サプリはあくまで基本の食事と管理を補うもの。高価なサプリを買う前に、餌箱の蓋がちゃんと閉まっているか、水が新鮮かどうかを確認する方が、よっぽど効果的かもしれないね。僕の個人的な意見だけど、まずは獣医師や栄養士に相談して、あなたの馬に本当に必要なものを見極めるのが一番だと思うよ。

EPMだけじゃない! 似た症状の他の病気

馬ヘルペスウイルス(EHV)の神経型

後ろ足がふらつく…それ、EPMじゃなくてEHV-1の神経型かも? この二つ、症状が本当によく似ているから、獣医師でも見分けるのが大変なんだ。

EHV-1はウイルス性の病気で、呼吸器症状や流産を起こすタイプが有名だけど、神経にダメージを与えるタイプもあるんだよ。大きな違いは、EHV-1の場合は発熱が先に起こることが多いって点だね。それから、感染が広がるスピードも違う。EPMが個々の馬でゆっくり進むのに対して、EHV-1は厩舎内で次々と感染が広がる可能性がある。だから、もしあなたの馬がふらつき始めて、同じ厩舎の他の馬も熱を出していたら、まずEHVを疑うことになるだろうね。診断には鼻汁や血液の検査が必要だ。予防には定期的なワクチン接種が有効だけど、残念ながら神経型を完全に防ぐことはまだ難しいんだ。症状が似ていても原因が全く違うから、自己判断は絶対にやめてね。

脊髄の圧迫や変形

「運動失調の原因は、神経の中ではなく、神経の『通り道』にあるかも?」って考えたことはある?

馬の首の骨(頚椎)の変形や、背骨の間にある椎間板の病気が、脊髄を圧迫してEPMに似た症状を出すことがあるんだ。これは脊髄圧迫症候群とかウォブラー症候群なんて呼ばれるよ。若い大型馬に多いんだけど、高齢になって関節炎が進んでも起こりうる。EPMとの見分け方のヒントは、首の曲げ伸ばしで症状が悪化するかどうかだね。獣医師が馬の首をいろんな方向にゆっくり曲げて反応を見る検査をするよ。最終的な診断には、レントゲンや、できればMRIのような精密な画像検査が必要になる。治療法も根本的に違って、手術が必要なケースもあるんだ。あなたが愛馬の歩き方の「ちょっとした変」に気づくことが、こうした全く別の病気の発見につながることもあるよ。

データで見るEPMの実態

地域や季節によるリスクの違い

EPMはアメリカ全土で見られるけど、実は地域によって発生率に差があるって知ってた? オポッサムの生息数や気候が関係しているみたいだよ。

どういうことかというと、アメリカ中西部や東部はオポッサムが多いから、報告症例数も多めなんだ。一方、乾燥した西部の地域では比較的少ない傾向がある。でも、これって「日本では関係ない話」じゃないんだ。日本に輸入される馬は、そうしたリスクの高い地域で育った子も多いからね。もう一つ興味深いのが季節性。オポッサムの活動が活発になる春から秋にかけて、馬の感染リスクが高まると言われているんだ。冬はオポッサムがあまり動かないから、スポロシストが環境中に撒き散らされる量も減るだろうね。あなたがもしアメリカから馬を輸入するなら、その馬が育った地域のリスクを少し調べてみるのも、賢い管理の第一歩かもしれないよ。

品種や年齢の統計からわかること

「うちの子はサラブレッドだから心配」「老馬だから大丈夫?」なんて思っていない? 実際のデータを見てみよう。

研究報告をまとめると、EPMと診断される馬の特徴にはある傾向が見えてくるんだ。僕が調べた範囲で信頼できるデータを表にしてみたよ。ただし、これはあくまで傾向であって、「この品種だから絶対かからない」という意味じゃないからね。

カテゴリーリスク傾向考えられる理由(推測)
年齢若齢馬(4歳以下)と、15歳以上の高齢馬に多い若馬は免疫系が未熟、高齢馬は免疫力の低下
品種サラブレッド、スタンダードブレッド、クォーターホースの報告が多い競走馬としてのストレス、移動の多さ、調査対象の偏りの可能性も
性別去勢雄馬の診断例が多い去勢雄馬の頭数そのものが多いため、単純な統計上の結果かもしれない

この表を見て、「あ、うちの馬は該当するから危ない!」って慌てないで。逆に、「該当しないから安心」とも思わないでね。重要なのは、どの馬にもリスクはあるってことだよ。データは過去の傾向を教えてくれる地図みたいなもの。でも、実際にあなたの馬を守るのは、今日からのあなたの観察と行動なんだから。

馬のストレス管理、もっと考えてみよう

ストレスが免疫力を下げるメカニズム

私たちだってストレスで体調を崩すよね? 馬だって同じなんだ。長距離移動や厩舎替えは、目に見えない大きなストレスになるよ。

じゃあ、ストレスは具体的に馬の体に何をするのかな? ストレスを感じると、馬の体の中では「コルチゾール」っていうホルモンがたくさん出るんだ。このホルモン、短期的には体を危機に対応させるのに役立つけど、長く出続けると免疫システムを抑制しちゃうんだよ。まるで、体の警備隊の力を弱めてしまうようなものだね。そうなると、普段なら撃退できる原虫にも負けやすくなってしまう。だから、あなたが馬をトレーラーに乗せて遠征する時、新しい厩舎に引っ越す時、はたまた獣医師や装蹄師が来る日…そういう時こそ、馬が安心できる環境を少しでも作ってあげたいよね。慣れた仲間の隣にいるだけでも、ずいぶん違うはずだよ。

日常に取り入れられるストレス軽減法

「ストレス管理って難しそう」って思う? 実は、あなたが今日からできる簡単なことがたくさんあるんだ。

まずは日常のルーティンを崩さないこと。馬は予測可能な生活が大好きなんだ。餌の時間、放牧の時間、手入れの順番…できるだけ毎日同じリズムで過ごさせてあげよう。次に、社会的なつながりを大切に。馬は群れで生きる動物だよ。一日中孤独な厩舎生活は、それだけで大きなストレス源になる。隣に相棒がいるだけ、あるいは柵越しに他の馬が見えるだけでもずいぶん違う。最後に、退屈させないこと! いつも同じ景色の囲いの中で何もすることがない…これもストレスだよ。中にボールを入れてみたり、干し草をネットに入れて食べる時間を長くしてみたり、ちょっとした「遊び」を考えてみて。あなたのちょっとした気遣いが、愛馬の免疫システムを応援しているって思ったら、なんだか嬉しくない?

もしもの時のために:経済的な準備

EPM治療にかかる本当のコスト

治療薬の値段は聞いたけど、それだけじゃ済まない費用があるってこと、考えてみた? 診断検査から治療後のケアまで、全体像を把握しておくことが大事だよ。

初期の診断にかかる費用はばらつきが大きいんだ。神経学的検査と血液検査だけなら数万円かもしれないけど、脊髄穿刺をして専門機関に検査を依頼すると、10万円を超えることもある。治療が始まれば、先ほど話した薬代に加えて、定期的な血液検査(薬の副作用をモニターするため)や、ビタミンEなどのサプリメント代もかかってくる。もし合併症があれば、その治療費も別だね。そして見落としがちなのが労働損失。治療中は乗れないし、場合によっては数ヶ月から一年以上、競技や仕事から離れることになる。あなたの時間も、馬が生み出すはずだった収入も、すべて「機会費用」として考えておく必要があるんだ。僕はこれらを全部合わせた「総治療費」を、治療開始前にざっと計算しておくことをおすすめするよ。覚悟が決まるからね。

ペット保険や共済は役に立つ?

「高額な治療費、保険でカバーできないかな?」これは誰もが考える疑問だよね。日本の馬の保険事情をのぞいてみよう。

答えは「場合による」だね。一般的な馬の医療保険(ペット保険)には、EPM治療も対象としているものがあるよ。ただし、注意すべき点がいくつかあるんだ。まず、多くの保険には「待機期間」がある。加入してから90日間は病気の補償がされないから、EPMが心配になってから慌てて加入しても間に合わない。次に、補償額の上限だ。一疾病あたり50万円とか100万円とか、契約によって決まっているから、それを超える部分は自己負担になる。あと、保険によっては「先進医療」として扱われて、補償割合が下がることもあるから、約款をよく読もう。共済(例えばJAの役用馬共済など)は、死亡や盗難が主な目的で、病気の治療費をカバーするものは少ないみたいだ。あなたの馬のライフステージとリスクを考えて、もし保険を考えるなら、若くて健康なうちに加入するのが鉄則だよ。

あなたの疑問に答えます:EPM Q&A

「馬のEPMは人にうつるの?」

これは本当によく聞かれる心配事だね。結論から言うと、馬のEPMが人間に感染するという証拠はありません。どうしてそう言い切れるのか、その理由を説明するね。

EPMの原因となる原虫(Sarcocystis neuronaなど)は、非常に宿主特異的なんだ。これは、「馬の体の中でしか生きられないように進化してきた」ってことだよ。人間はこの原虫の「終宿主」にも「中間宿主」にもならないんだ。あなたがオポッサムのフンに直接触れるようなことがあれば、別の感染症のリスクはあるけど、EPMそのものがあなたにうつることはない。だから、病気の馬の世話をしても大丈夫だし、触れ合うことも問題ないよ。むしろ、あなたの優しい手当てが、馬の回復には一番の薬になるかもしれないね。この安心感を持って、恐れずにケアしてあげてほしいな。

「一度かかった馬は、もう競技に復帰できないの?」

これが一番切実な質問かもしれないね。答えは「馬によって、そして目標によって大きく違う」だよ。絶望する必要はまったくないから、詳しく見ていこう。

軽度の症状で早期に治療を始め、完全に回復した馬なら、以前と同じレベルの競技に復帰できる可能性は十分にあるんだ。実際、プロの競技馬でEPMからカムバックした例は少なくないよ。でも、神経が受けたダメージの程度によっては、以前の100%のパフォーマンスを取り戻すのが難しい場合もある。例えば、微妙なバランスが求められる高等馬術や、精密なジャンプが必要な障害飛越では、ほんの少しの運動失調の残存が大きなハンデになるかもしれない。一方で、まっすぐ走ることが主体の速歩レースや、ゆっくりとしたトレイルライドなら、問題なく楽しめるケースも多い。重要なのは、あなたと獣医師、そして調教師や装蹄師がチームを組んで、その馬の「新しい能力」を冷静に評価することだ。最高峰の競技を目指すことがゴールじゃなく、その馬とまた一緒に何かを楽しむこと自体が、大きな勝利なんじゃないかな。僕はそう信じているよ。

E.g. :馬原虫性脊髄脳炎(EPM)(平成24年12月) - 中央畜産会

FAQs

Q: EPMに最もかかりやすい馬の年齢や特徴は?

A: EPMはあらゆる年齢や品種の馬が発症する可能性がありますが、特に若い馬(4歳以下)でより多く診断される傾向があります。これは、若い馬の免疫システムがまだ完全に成熟しておらず、原虫に対する防御が十分でないためと考えられています。また、競走馬や激しいトレーニングを課されている馬のように、ストレスや疲労が蓄積している個体も、免疫力が低下しやすいためリスクが高まる可能性があります。ただし、高齢の馬でも発症例はあり、「うちの馬は年だから大丈夫」と油断は禁物です。重要なのは年齢ではなく、オポッサムのフンに含まれる原虫に暴露される機会と、その時の馬自身の免疫状態です。私たちは、若馬に限らず全ての馬の日常の観察を怠らないことが、早期発見の最大の鍵だということを覚えておきましょう。

Q: EPMは他の馬や人にうつる病気ですか?

A: いいえ、EPMは他の馬や人を含む動物に直接感染することはありません(非伝染性)。この病気の感染経路は非常に特異的で、馬が中間宿主であるオポッサムの糞便中に排出された原虫(スポロシスト)を、何らかの形で口から摂取することでのみ成立します。つまり、感染した馬と一緒にいてもうつる心配はないのです。これは管理上の大きなポイントで、発症した馬を隔離する必要はありません(ただし、他の感染症のリスクがない場合)。しかし、同じ環境で複数の馬が相次いで発症した場合、それはその牧場や厩舎にオポッサムが生息し、飼料や水が汚染されている可能性が高いことを示すサインです。私たちが対策すべきは「馬から馬」ではなく、「環境から馬」への感染経路を断つことなのです。

Q: EPMの治療費はどれくらいかかりますか?また治療期間は?

A: EPMの治療費は使用する薬剤と治療期間によって大きく変動しますが、決して安価ではありません。FDA承認の主な治療薬であるポナズリル(Marquis®)の場合、月額で約10万〜15万円、標準的な1〜3ヶ月の治療で総額30万〜45万円程度を見込む必要があります。他の薬剤ではもう少し安くなることもありますが、それに加えて診察料、検査費、場合によっては抗炎症薬やサプリメントの費用もかかります。治療期間は、薬剤にもよりますが1ヶ月から9ヶ月と幅広く、馬の症状の改善具合を獣医師がモニタリングしながら決定します。早期に治療を開始し順調に回復すれば期間は短く済みますが、重症例や再発例では長引くこともあります。私たち飼い主は、この経済的負担に備えるためにも、馬の医療保険への加入を検討することが現実的な対策の一つと言えるでしょう。

Q: EPMから回復した後、再発や後遺症はありますか?

A: 早期に適切な治療を開始すれば、約60〜80%の馬で著しい改善が見られ、最大25%は完全回復が期待できます。しかし、残念ながら約10〜20%の馬では、治療後3年以内に再発する可能性が報告されています。また、治療が遅れた場合や重症例では、たとえ原虫が駆逐されても神経が受けたダメージが残り、軽度のふらつきや筋力の低下などの後遺症が残ることがあります。回復後は、定期的な神経学的検査による経過観察が推奨されます。私たちにできる再発予防策は、馬の免疫力を高める生活環境(ストレス軽減、バランスの取れた栄養)を維持することと、何より再びオポッサムのフンに暴露されないよう環境管理を継続することです。治癒はゴールではなく、長期的な健康管理の新たなスタートなのです。

Q: 日本国内でもEPMの発生は確認されていますか?

A: はい、日本国内でも散発的な発生が確認・報告されています。オポッサムは北米原産ですが、日本には在来種のフクロネズミ(ハリネズミ)はいません。しかし、EPMの原因原虫であるSarcocystis neuronaは、北米以外の地域(例えば南米)にも存在し、その地域に生息する他の動物(例えばスカンクなど)を中間宿主とする生活環を持つ可能性が指摘されています。また、輸入飼料のわらや干草に付着したオポッサムの糞が混入するリスクもゼロではありません。したがって、「日本にオポッサムがいないから大丈夫」と考えるのは危険です。実際に国内の臨床現場でEPMが疑われる症例はあり、私たち日本の馬関係者も、この病気についての正しい知識を持ち、海外からの輸入馬や飼料の管理には特に注意を払う必要があると言えるでしょう。